2014年2月18日火曜日

参加レポート:developers summit 2014 なぜ、システム開発は必ずモメるのか?

なぜ、システム開発は必ずモメるのか? プロジェクト見積もりから契約作成まで 



2/14(金)、大雪の降る中、行ってきましたよ。会場は目黒雅叙園。

雪なので、人は少ないだろうなぁと思ったら、あに図らんや大満員状態。
「やまもといちろう」さんのネームバリューもあるんだろうが、やはりネタがネタだけに皆関心があったんだろうね。
もう一人のお相手は、東京地方裁判所の民事調停委員を務める「細川 義洋」氏。
やまもと氏が進行役とネタ振り。それに細川さんが答える形式。


聴講者も若い人が多かった。
時代が変わり、必要とされる技術、が変わってもシステム開発そのものは無くならないし、当然それに伴う揉め事は、増えこそすれ減ることはないと。

以前は、もめ事があっても当事者間同士で話し合っておさめることが多く、裁判などで 解決を図るというケースは少なかったと思うのだが、最近では事例が増えてきているようだ。

私が一番ためになった話は、細川氏の発注者vsベンダーの訴訟になった場合に、裁判官はどういう視点で両者の主張を判断するかといったポイント。細川氏からのお話。

裁判官はスキルギャップ というポイントをもっとも重視するそうです。
つまり、発注者とベンダーを比べた場合、ベンダーがシステム開発に関してプロ(つまり発注者より圧倒的にスキルと経験がある)なのだから、リスク、影響度などを勘案し、場合によっては、そのプロジェクトを中止する勧告を発注者にする責任がある。

仕様変更の連続で、コストが膨らむ、納期遅延、等がわかっているのに、プロジェクトを中止せずそれを受け入れて、プロジェクトを続けて、赤字になった、もしくは、プロジェクトが中断にいたり、発注者側に損害を与えた。
というのは、そうなるのをわかっていながら、プロジェクトを続けていたベンダー側の責任であると。

と、かなりベンダー側に不利な判断をされるケースが多いそうである。
ベンダー側の立場の経験が長く、今でもベンダーの配下で仕事をする側の人(私も含めて)から、言わせると、おいおいそれはあまりにも一方的だろうと。


発注者は検収権限も持ってるし、最後お金を入金する、しないも発注者側。
プロジェクトで嫌われたら、次の発注が他社に流れていってしまって来ないリスクもベンダーにはある。

と、営業面や契約上の立場は、圧倒的に発注者側が強く、ベンダー側から、
「これ以上、プロジェクトは続けられないので、中止。それまでのお金を一旦払ってください。」
なんてことは、口が裂けてもそのPMさんから言えるわけもなく、裁判官様ぁーと言いたくなるが、裁判官は案件をやったことないわけだから、あくまでも現行の法律と過去の判例に則って判断するしかないという、不都合な真実がそこにあるということ。

これら、法律も昭和30年代に出来た物ということで、そもそもその時代にはITなんてものが無かったわけである。

ということで、ためになったと同時に色々考えさせられてたセミナーでした。